Claudeに手伝ってもらいながら何かを作っていると、作る作業そのものより、その周りでつまずくことが多い。公開の手続きや、外部のサービスへの登録など、初めて見る設定画面のどこを押せばいいのかがわからず、手が止まってしまう。
コードを1行も書いたことがなかった人が、Claude Codeで作ったアプリをAppleのApp Storeで公開するまでの事例が、Anthropicの公式ブログで紹介されている。この人が慣れない画面を乗り越えるのに使っていたのが、画面の写真を見せて聞くという方法だった。
何を作ったのか、画面の写真でどう聞いていたのか、そして読者が真似するならどうすればいいのかを見ていく。
何を作ったか:「今まさにストレスを感じているとき」に働くアプリ
紹介されているのは、ウクライナのゲーム会社でプロジェクトマネージャーとして10年働いてきたKostiantyn Vlasenkoさん。2026年2月にClaude Codeのハッカソン(短期間で作品を作る大会)に参加するまで、コードを書いて公開したことはなかったという。
作ったのは、iPhone向けのストレス管理アプリRespiro。既存のアプリは「夜10時に深呼吸をしましょう」のように決まった時間に知らせてくれるだけで、本人が今まさにストレスを感じていることはわかってくれなかった。そこで、スマホなどからストレスの兆しを読み取り、そのときに呼吸のエクササイズへ案内するアプリを考えた。
思いついてから、App Storeに出せる形になるまでにかかったのは6週間足らず。作りたいものの出発点は、自分自身が困っていたことだった。
どう進めたか:迷った画面は、写真を撮って「何を押せばいい?」
アプリを作ることと、それを公開することは別の話だった。Vlasenkoさんは、App Storeに出すためのAppleの開発者向けの手続きを、それまで一度も経験したことがなかった。
そこで彼がしていたのは、つまずいた画面のスクリーンショットを撮って、Claudeに「ここで何を押せばいい?」と聞くことだった。記録や分析のための外部サービスの設定でも同じやり方を使い、Metaのサイトの設定画面で迷ったときも、Claudeが画面を見て行き先を案内してくれたと話している。彼は、Claudeが画像を見て理解できる力を、一番見過ごされている機能だと考えている。
画面の説明を言葉で組み立てる必要はない。言葉にできない画面は、写真のまま見せて聞く。
真似するなら:手が止まった画面を、そのまま見せる
知識ゼロで作っていると、公開の手続きやサービスへの登録の画面で手が止まることは避けられない。そのときに、画面の様子を言葉で説明しようとすると、何が書いてあるのかをうまく伝えられず、やり取りがかみ合わないことが多い。
そんなときは、画面をそのまま撮って見せ、何をしたいのかを一言添えるのがおすすめ。たとえばこんなやり取りになる。
あなた: (画面のスクリーンショットを貼って)作ったページを公開したくて、この画面まで来た。ここで何を押せばいい? Claude: 右上の「新規作成」を押してください。次の画面で名前を聞かれるので、ページの名前を入れて進めば大丈夫です。 あなた: 押したら、今度はこの画面になった。(スクリーンショットを貼る)
1枚で終わらせず、進むたびに次の画面を見せていけば、初めての手続きでも一歩ずつ進める。迷ったら説明を考える前に、まずスクリーンショットを撮る。
まとめ
迷った画面を写真で見せて聞けるようになると、作る作業の周りにある、公開や登録といった慣れない手続きでも止まらずに進める。コード経験のない人が、自分で作ったアプリを公開までたどり着かせた背景には、このやり方があった。
画面の写真で聞くのは、公開の手続きに限った話ではない。見えているものを、そのまま見せるという考え方は、エラーが出たときも、見た目を直したいときも、この先何度も使える。
次に画面の前で手が止まったら、スクリーンショットを撮って「ここで何を押せばいい?」と聞いてみてほしい。